麻酔科
麻酔科について
さまざまな病気のために患者さんは病院を訪れますが、その中には手術が必要となる患者さんも多く含まれます。
手術が必要となると患者さんのからだはメスでどこかを切られたり、出血したりなどの手術の刺激が病気を治すために身体に加わることになります。麻酔のおかげで患者さんは痛みも感じずに眠っている間に手術を受けることが可能になります。
手術から身体を守るための麻酔に使われる麻酔薬には呼吸から吸入される吸入麻酔薬、点滴で行われる静脈麻酔薬、痛みで身体が動いて手術ができなくなることを防ぐ身体の動きをとめる筋弛緩薬など多くのクスリがあります。
このように意識を無くし、痛みを防ぐ麻酔薬は、それだけでなく脳の働きや、呼吸、心臓などの身体の根本機能も不安定にしてしまいます。当然、安全性がもっとも求められます。
安全に手術がおこなわれるように眠っている患者さんの傍で手術の間、患者さんの心臓の音に耳をすませ、心電図を監視し、呼吸を助け、体温がさがらないように工夫し、適切に麻酔薬の量を調節し見守っているのが麻酔科医の仕事です。
高齢化社会の訪れと共に、手術が必要となる患者さんには肺、心臓、肝臓などさまざまな臓器に障害をもった患者さんも多くなってきています。
また本年4月からは心臓手術も行われるようになりました。これにともない麻酔科専門医、研修医の麻酔科ローテーションも行われ麻酔科スタッフも徐々に増えてきました。
高度で難易度の高い手術は患者さんに長い時間大きな負担がかかることもあります。このような状況でも、高度な手術が患者さんに負担なく行われるように専門性を高めた麻酔科医が手術時の患者さんの安全性を見守っています。
主な疾患・治療
当科で担当する疾患は以下のとおりです。
現在は高齢者の増加、医療技術の高度先進化により手術を受けられる患者さんの数は増加してきています。手術は、病気やけがの治療のために行われますが、そのままでは激しい痛みとストレスのために手術を行うことはできません。麻酔科医は適切な麻酔法を選択し、最適な量の麻酔薬を投与し手術中の痛みを取り除くことはもちろんですが、手術中、患者さんのそばにいて最新の機器を用いて全身状態を管理し、手術中に起こりうる様々なできごと(血圧の低下・上昇、不整脈、呼吸の異常、出血、体温の変化など)から患者さんの生命を守っています。
安全性の高い麻酔薬の開発、麻酔装置や監視機器の進歩に加えて、麻酔科医が細心の注意をもって麻酔管理を行うことにより麻酔の安全性は高まりました。一般に麻酔自体による危険性は0.01%程度といわれています。しかし、手術の種類や手術前の全身状態によっては必ずしも安全とは言い切れない場合もあります。そのような場合には外科系の先生方と相談させていただき、より患者さんの安全性が高まるよう対処法を考慮させていただきます。麻酔科において緊急の場合、危険が生じた場合などにおいても迅速に適切な処置が行えるよう体制を整えていきたいと考えています。
手術患者さんは手術ストレスにより生体機能が低下し、回復までに時間を要します。今、欧州を中心に手術患者さんの回復力を高めるERAS(Enhanced Recovery After Surgery)という取り組みが在院日数の短縮、合併症の減少をもたらすと注目され世界中に普及しつつあり、日本でも注目されてきています。このERASの取り組みは外科医、麻酔科医、手術室スタッフ、病棟看護師、理学療法士、管理栄養士などを含むチーム医療としての多面的多職種協働ケアプログラムです。このチーム医療に果たす麻酔科医の役割は決して小さくないと考えられています。
診療実績
年度別手術件数
診療科別手術件数
診療スタッフ
役職 | 名前 | 主な資格 | 専門分野 |
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麻酔科部長 兼 手術部部長 | 伊藤 大真 (いとう たいしん) |
麻酔科標榜医 日本麻酔科学会指導医 ペインクリニック学会専門医 |
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副部長 | 木村 めぐみ (きむら めぐみ) |
麻酔科標榜医 日本専門医機構 麻酔専門医 日本麻酔科学会 麻酔指導医 Total Nutrition Therapy研修会修了医 緩和ケア研修会修了医 |
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医員 | 松田 千尋 (まつだ ちひろ) |
日本麻酔科学会 麻酔専門医 麻酔科標榜医 |
電車
JR敷戸駅より 徒歩15分 JR大分駅より タクシー20分
バス
宮崎バス停より 徒歩3分
自動車
高速道路より→光吉ICをおりて車で10分
大分中心街から→JR大分駅より10号線を走り、車で20分